破産者の借金や財産はどうなるのか
自己破産は、単にそれをすることによって借金からは解放される制度であると考えられていることが多いといえるかもしれません。しかしながら、自己破産をした後も破産者の人生は続いていくわけです。
したがって、借金をきちんと清算するわけですが、お金に変えられるものを破産者からすべて没収してしまうと、破産者はその後暮らしていけなくなってしまうことになります。
破産者の財産が法律で適切に配当されることになります。 まず、破産者の財産のうちお金に変えられる財産のことを破産財団と呼びます。これは破産管財人によって管理され、破産債権者に随時弁済されてゆくことになります。このような債権のことを財団債権と呼びます。
一方で破産債権者は、破産者が破産手続き前に作った借金を請求する権利をもっています。このような権利のことを破産債権と呼び、これを行使すると、その優先度にしたがって破産債権者にお金が配当されることになります(この優先度は、破産債権者の公益性などを加味して決められます)。
しかしながら、破産者の財産をすべて処分してしまった場合、破産者はその後の生活を営むことができなくなってしまいます。そこで、破産財団に属さない財産のことを自由財産と呼んで区別しています。この自由財産は生活に必要なものとで、たとえば必要最低限の衣服など、
そして生活費(100万円未満)など、また、法律で差し押さえできないと決まっている財産を指します。通常、車などは破産財団に属し、破産管財人によって管理されて配当されます。ですが、たとえば破産者に高齢の家族がおり、車を使って通院させなければならないということも考えられます。
そういった場合は、通常破産財団に属するものであっても、特例的に自由財産に組み込まれることもあります。ただしこれは個人の判断によって決められるものではないので、裁判所の決定を待つしかありません。
このように破産者の借金や財産はいくつかの種類にわけられて破産債権者に支払われ、配当されることになるのです。自己破産を考えている人は、このような破産後のことも確認しておく必要があるといえるでしょう。